穏やかなリズム

いい結婚生活は、夫婦のあいだに穏やかなリズムを生む。

その優しい揺れに、息をぴったりと合わせて踊ることができるようになるには、何年も一緒に住むことが必要だ。
いい結婚生活とは、触れ合うべきときや、お互いの苦しみには干渉しないでおくべきときをわきまえつつ、一軒の家にふたりが暮らすことである。
ぜひとも実現していただきたいものだ。

これは緩慢で、機械的で、ありふれたダンスではあるが、
エクスタシーによるめまいをもよおさせる新しい恋人と、メリーゴーラウンドでぐるぐる回っているよりいい。
なぜなら、年を取るほど長くは、彼らと一緒にいないからだ。
新しい恋人を理想化し、自分のソウルメィトだと思い込むことはたやすい。
エーリッヒ・フロムは著書「愛するということ」で、この信心深い新しい愛を次のようにいっている。
「こういう偶像崇拝的な愛が、真の偉大な愛として描かれることは多い。
だが、それは愛の激しさと深さをあらわすというよりは、偶像崇拝者の飢えと絶望を実証しているだけなのだ……」

かつてはせっせとデートしていた私たちの大半は、いまの自分の生活を解決してくれそうな人がいないせいで生じる、飢えと絶望とを知っている。
だがもちろん、それはだれにも解決できないのだ。
精神的に完全でありたいという飢えは、内側から満たされるべきだという意味で、あなたのソウルメィトはあなた自身であるといった、あの霊媒師は正しかった。
それを考えれば、私たちは子供じみた欲望ではなく、ちゃんとした大人同士の関係を基礎にして、健全な夫婦関係を築くことができる。
とはいいながら、自分の結婚について語る友達の言葉に耳を傾けていると、
私たちがパートナーから受け取っているものは、本当に十分なのかしら?と疑わずにはいられない。


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